約 3,353,492 件
https://w.atwiki.jp/deadly-bride/pages/32.html
【デモンズタワー】 ●デモンズタワーでは10連戦のバトルにチャレンジできる ●難易度は第一部屋から第十部屋までの10段階 ●10連戦勝ち抜くと、施設内で使える通貨「デビコイン」が貰える ●10連戦勝ち抜いた後にダブルアップチャレンジに挑むことができる、コールすると貰えるデビコインの数が2倍になり次の難易度の部屋で再び10連戦を行う ●最初は第一部屋からしか挑めないが、カウンテスカードを手に入れると第二~四部屋、マーショネスカードを手に入れると第五~七部屋、ダッチェスカードを手に入れると第八~十部屋から挑む事が出来る ●敵は普通のナイトメアだけではなくボスやダブルエヌも出現する、ナイトメアに関する知識や経験、そしてHPやMPを温存しながら戦う戦法が求められる 【第一部屋】 獲得デビコイン 1枚 ラウンド 戦うナイトメア 1 ナイトキャップ×3 2 キングゴキブリン×1ゴキブリン×2 3 ネコマタ×4 4 はぐれマタンゴ×1マタンゴ×2 5 インプ×1ソードターニップ×2 6 ジャックザリッパー×1 7 ペナンガラン×1インキュバス×1サキュバス×1 8 ドルムキマイラ×1ドルムベア×2 9 マスクドボム×1アイスラムネ×1クァール×1 10 グラナルド×4 (攻略) 楽勝、とにかくHPMPOPを温存していこう。 獲得デビコインがしょぼいため、戦うのが面倒ならとっととカウンテスカードを買おう。 【第二部屋】 獲得デビコイン 3枚 ラウンド 戦うナイトメア 1 炎のエレメント×1レヤック×2 2 ヴォルカライス×1タコトロス×2 3 ラミア×2スクイドメイジ×1 4 ニンフ×1 5 ゴースト×1フロストメイジ×1キャロットランサー×1 6 ワラスボラス×1(途中で2体出現) 7 ネコマタボス×4 8 ダンタリアン×1フロストメイジ×2 9 デュラハン×1スンチェヘン×1フロストメイジ×1キャロットランサー×1 10 ボムキング×1グレネード×2 (攻略) まだまだ楽勝、ヴォルカライスを中心にMPを消費せざる負えない敵がぼちぼち出現。 【第三部屋】 獲得デビコイン 6枚 ラウンド 戦うナイトメア 1 ミミック×3 2 ジティロン×1 3 ドリアード×2チュルルック×2 4 ネコマタマスター×1ネコマタボス×2 5 エメラルドクロウラー×1ワイバーン×1デモンズソード×1 6 マンドラリーダー×1マンドラアーチャー×1マンドランサー×1マンドラハンター×1マンドラヒーラー×1 7 ブーレイ×2 8 バフォメット×1 9 シルバリオ×2エキドナ×1 10 クァールレギナ×3 (攻略) 最速のタイミングでデモンズタワーに挑むとここらがやめ時になる。 HPの高いジティロンがラウンド2で出てくるので非常に厄介、消費を抑えつつ戦っていこう。 【第四部屋】 獲得デビコイン 10枚 ラウンド 戦うナイトメア 1 バイオネコマタ×1バイオアスピック×1 2 シルバリオ×2アヌビス×1 3 バイオペナンガラン×1バイオソード×1 4 ストーカー×1イエティ×2 5 ジャックフロスト×1アロールート×3 6 ユミール×1グール×2 7 アロールート×1ボルトスパイダ×1イエティ×1 8 エルヴィオレ×1グーラ×2 9 トーチミミック×3 10 ティアマット (攻略) ストーカー、ユミール、エルヴィオレなど特定のキャラでしかダメージを与えづらいダブルエヌが出現する。 最後に戦うティアマット戦までにMPやOPを温存していきたいところ。 【第五部屋】 獲得デビコイン 15枚 ラウンド 戦うナイトメア 1 グール×2グーラ×2 2 オクトロス×1 3 ネコマタ(細長いヤツ)×3 4 アーリマン×1ガルカシ×2 5 バニップ×1ロキャーサ×3 6 カロフィステリ×1ダフネ×2 7 ホーネット×4 8 ユイジンシャン×1ジュエンダン×4(途中で出現) 9 ヴァースキ×2 10 アントリオン×1バエル×1カースサーベル×1 (攻略) 状態異常攻撃を得意とするカロフィステリ、ユイジンシャン戦ではレベルが十分でも事故死の確率があるため、最低でも乱心を防ぐかぐや姫の香水をつけておきたい。 【第六部屋】 獲得デビコイン 21枚 ラウンド 戦うナイトメア 1 水のエレメント×1ダフネ×2 2 クラーケン×1ロキャーサ×2 3 アイトワラス×3 4 ジャウザハル×1 5 ネコマタ(冬毛)×3 6 ドロップベア×1 7 ジェチェヘン×2パイナップル×2 8 ゴールドル×1 9 スパルナ×1ファハン×1 10 マリリス×1 (攻略) ランクBのダブルエヌが出現、ランクB以上のダブルエヌはピンチになると能力が上昇するので油断せずにとどめを刺そう。 特にゴールドル、マリリスは上級魔法を使用するためHPが低いと一発で致命傷を負いかねない。 【第七部屋】 獲得デビコイン 28枚 ラウンド 戦うナイトメア 1 アリアドネ×1ロータスブレイカー×2 2 ペイントルーカー×1 3 ノクチルカ×4 4 ロストナンバー×1 5 ハーリティ×2ホルツフラウ×1 6 カーラボス×1ホルツフラウ×2 7 メタルネコマタ×4 8 レイズサーベル×1ネコマタボス×2 9 サンダーミミック×4 10 アースロ×1プレウラ×1 (攻略) ラウンド7で戦うメタルネコマタは大量の経験値を持ちレアアイテムを落とすので積極的に狩りに行こう。 ラウンド10で戦うアースロ プレウラは本編より強くなってるので注意。 【第八部屋】 獲得デビコイン 36枚 ラウンド 戦うナイトメア 1 フォノス×1ウェパル×3 2 ギザマルーク×1サンダーミミック×2 3 ナイトゴーント×3 4 ヤクシャ×1ヤクシニー×1 5 タクシャカ×1アルセイス×1モーセヴァイベル×1ガラトゥルラ×1 6 トリックスター×1 7 バイオマタンゴ×1バイオムシュフシュ×1 8 チャダルヌーク×1 9 バイオクァール×1バイオアイ×3 10 アースイーター (攻略) 本編クリアできる実力だとここらが限度。 出現するダブルエヌは上級以上の魔法をバンバン撃ってくるためミラシルトワレがあると少し安心、消費MPの多いミラシマをいつでも使えるようにMP回復アイテムを揃えておこう。 【第九部屋】 獲得デビコイン 45枚 ラウンド 戦うナイトメア 1 ファニーフェイス×1ミックスマスター×1クエレブレ×1 2 リッチ×1クルガルラ×1ガラトゥルラ×1 3 ナイトルーラー×4 4 闇のエレメント×1 5 マナスヴィ×2 6 ヌエ×1 7 バーサーベア×4 8 アルテマバスター×1 9 ランダ×2ヘクトアイズ×2 10 ルブルムドラゴン×1 (攻略) 第八部屋に比べて敵が桁違いに強い、ここに苦戦するなら第七~八部屋で稼いだ方が効率がいい。 効率も重視してそろそろ全員が最強武器を装備して闘いたい所。 ランクSダブルエヌのアルテマバスターとルブルムドラゴンの火力はいままでの敵とは一線を画す、ラウンド7まで余裕でも倒されることがあるので、デバフ魔法を活用して攻略しよう。 【第十部屋】 獲得デビコイン 100枚 ラウンド 戦うナイトメア 1 ゴキブリンパワード×4 2 ヘルズハーレー×3 3 ガルキマセラ×1ペイルウィドウ×1タゴン×2 4 プリンプリンセス×1ルーシー×2 5 ウミタ×1ジャックランタン×1メンギトゥ×2 6 デスゲイズ×1 7 ミラクルマスター×1タラスク×1ハオート×2 8 神竜×1 9 カリュブディス×1スリーピィホロウ×1カオスミミック×1 10 オメガ×1 (攻略) 第九部屋とは別次元の敵の難易度、ダブルエヌを全て討伐できる実力があってもクリアするのは難しい、 HPは15000程度あれば十分、ロイヤルクォーツ薬やフェニックスの手羽先などの回復アイテムも多めに用意しておこう。
https://w.atwiki.jp/orirowa2014/pages/351.html
終わりを告げる声が天より響いた。 もはや聞きなれてしまったその声も、今回ばかりはその意味合いが違った。 それは聴く者の心に様々な嵐を巻き起こす凶報である。 過ぎ去った死を告げるだけだったはずの声は、死の訪れを宣告する声となった。 それは神の如きが告げる逃れようのない、運命だ。 その声は聴く者の感情に変化を齎した。 あるいは激昂。あるいは焦燥。あるいは絶望。 そのいずれもが心を散り散りに引き裂くような激情だった。 あらゆる激情で満ちた鍋はかき回され世界は混沌で満たされる。 さあ物語の終わせよう。 世界の命運をかけた革命を始めよう。 いい加減、止まった世界に飽きたなら。 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ この最悪極まる催しの主催者の分身を除けば、放送を聞き終えた参加者の中で一番冷静さを保ってたのは恐らくこの少女だろう。 美少女女子高生探偵、音ノ宮亜理子。 彼女が平静を保てたのは理性と知性を司る『探偵』と言う生き物であるというのも理由ではあるだろうが。 それ以上に、先ほど告げられた最悪の通告と彼女が無関係な立場にあるのが大きいだろう。 死の運命を告げられた二人。 選ばれた一人は同じ学園に通う後輩であり多少の顔見知りではあるものの、特に深い間柄でもない。 彼女の死が亜理子の心を鈍らす要因にはなり得ない。 何より心構えをしていた。 ペナルティというルールが設定された時点でいずれ来るだろうとその可能性は常に彼女の頭の隅にあった。 それがようやく適応される段階に至った、というだけの話である。 ならば自分が当たらなかった幸運を喜んでこの件はそれで終わりだ。 それよりも、今の放送で彼女の気にすべき点は別にあった。 彼女にとって一番の問題は中央が禁止エリアに指定された事である。 それは中央は最後の舞台となる重要地点である、というこれまでの推理を覆すものだった。 これにより彼女のこれまでの推理は否定されるのか? 否である。ダム底の調査により中央が重要であることは確信を得た。その前提は翻らない。 あくまで最終地点は中央であるという前提で推理を進めるべきだろう。 そして、放送から得られて重要な情報がもう一つ。 ワールドオーダーはこの放送を”最後の”と言った。 何故今回が『最後』なのか? 残り8名。いよいよもって終わりは近い。 だが、放送ごとに地図上のエリアを狭めてきたこれまでの傾向からして、あと一回りは余裕がある。 確かに、全てのマスを埋める必要はない。 それに人数が減れば減るほどペナルティの適用率は高くなり、次を待たずして全滅している可能性は高いかもしれない。 全滅を危惧して予定を早めたと言うならば、なるほどそれは確かにあり得る話だろう。 だが、この考えは今回の事件には当てはまらない。 何故ならそれは参加者の全滅を避けたい人間の考え方だからだ。 奴にとってこの殺し合いは何が何でも一人を見出すための試みではなく。 条件を満たすたった一人を見つけ出すための振るいである。 奴にとってはこの殺し合いは全滅したって構わないのだ。 私たちにはこの殺し合いが全てでも、奴にとっては次があるのだから。 だと言うのに予定を早めたのは何故か? これまでの違う流れが組み込まれた時、それには必ず理由がある。 全滅を避けたいのではなければ、何か別の理由があるはずだ。 それは何だ? 考えるべきは、『この殺し合い』に置いて奴にとっての最悪は何か。 それは一つ。 居たかもしれない『主人公』を逃す事だ。 全滅を許容するといってもそれは全てを完遂した結果でなければならない。 最後にまで至って初めて、『居なかった』という結論を得られるのだ。 追い求めた一人が居るかもしれない可能性がある以上、最後までこの殺し合いは完遂されなくてはならない。 故に終了を速めた。 そうなると進行不可能となる想定外の事態が起きたのか? この状況で思い当たる可能性と言えば。 「………………さっきの地震、か?」 観測できる範囲で世界に起きた出来事と言えばそれくらいだ。 そう言えば、あれはなんだったのだろうか? 地震。地震には違いないのだろう。 日本なら先ほどの震度5程度の地震なら年に平均して5回以上は起きている。 それほど特別視するようなものではないのだが。 この孤島がなんなのかという疑問の答えによっては意味する所も変わってくる。 この”世界自体”が奴の用意した世界だと仮定するならば地震など起きるはずがない。 全てが奴の支配下である以上、意図的に引き起こしたのでなければ、起きる必要がないからだ。 起きるはずがないことが起きた。それが終了を早める要因となった可能性はあるかもしれない。 ここが私たちの世界のどこかの無人島であるとしたと仮定したとしても、地震は自然現象だ。 いくらなんでも地震が起きるかどうかまで奴が想定していたとは考えづらい。 やはり地震の影響で何かの不測の事態が起きたという可能性はあるだろう。 だが、あくまで可能性。確実性は何もない。 地震と紐付けること自体が無理矢理すぎるか…………? ともかく、理由は不明であれ強引に一手早めたのは事実だ。 最後だからこそ盤面を大きく動かすべく動いたという推測が立てられる。 『最後』だから『最終段階』として『最終地点』にイベントを起こした。 こう考えれば中央を禁止エリアとした筋も通る。 中央の重要性は変わらない、むしろ増したと言えるだろう。 そしてそうであると言う前提で考えれば、いろいろと条件が逆算できる。 中央にあった呼び出し方が不明のエレベータ。最後に行われる中央の禁止エリア化。 そこから導き出される結論がある。 エレベーターを呼び出す条件。 それはそこが”禁止エリアである”事だ。 調査をした時点で何も起きなかったのは当然だ、条件が満たされていなかったのだから。 そしてそれ条件であるのなら、必然的に首輪の解除が必要となる。 誘導と試練と必然。 その全てが揃っている。 そうなると首輪の解除を最優先とすべきなのだが。 亜理子の頭の中には首輪の構造に関する知識はあるが、実行するための技術と道具が足りない。 その穴を埋める人材を確保する必要がある。 人数こそ減ったが禁止エリアが増え活動範囲が狭まっている以上、参加者と出会うのはそう難しくはないだろう。 だが、先ほどのボンバーガールのような危険人物と出会う可能性も高い。 そう言う輩は当然ながら避けたい、少なくとも単独で行動している間は。 誰を探すべきか。 頭の中で生き残った参加者の名を思い浮かべる。 そこからペナルティで死亡する二人を排除。 そしてワールドオーダー、ボンバーガールと言った危険人物を除外する。 そうして残ったのは自分を除けば3人。 一先ずこの3人に当たりをつける。 この中から求める人材、加えて失われた主人公候補を見繕わなければならない。 たった3人。 そこに全ての展開をうまく転がせる人材がそろっていたのなら、それこそ運命的である。 奴の思想に沿った展開でぞっとしないところだが、奴の思想通りに進むのは亜理子としても望むところだ。 何より、そうでなければ立ち行かない以上そうでなくては困る。 当たりを引けば一発逆転という博打的な状況。 ふと考えが頭をよぎる。 ともすれば追い詰められて細い糸を辿らなくてはならないこの状況もまた、筋書きの一つでしかないのだろうか。 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 「………………あぁん?」 仄暗いダムの底で泥に塗れていた女の口から不機嫌そうな声が洩れた。 眉間にしわを寄せながら、深い眠りから醒める様に片目を薄く開く。 目を瞑って身を休めていたが、眠っていたわけではない、放送はちゃんと珠美の耳に聞こえていた。 彼女が不機嫌な声を漏らしたのは龍次郎とモリシゲと恵理子と言った強敵の死を知ったから、ではない。 ペナルティーの実行により見知った相手がこれから死ぬこと、でもない。 不運に見舞われたのは悪党商会(てき)の下っ端(ザコ)と同僚(ュバルツティガー)の子供(ガキ)、どうでもいい相手である。 どうでもいい相手の死など、どうでもいいことだ。 戦いがいのある強敵だって、死んでしまった以上価値はない。 深く縁のある人間は大抵死んだ。と言うより、大抵殺した。 今更、誰が死のうと動じる心など残っていない。 「あぁー…………どうしたもんかねぇ」 寝ころんだまま億劫そうに声を上げる。 それよりも珠美にとって問題なのは今いるF-6エリアが禁止エリアに指定されてしまった事である。 このままここで寝ていれば二時間後にはドカンだ。 待ち伏せを決め込んでいたと言うのに出鼻をくじかれてしまった。 移動すればいいだけの話なのだが、それすらも面倒だ。 せっかく燻った炎を高めていたと言うのに、冷や水を浴びせられたようにやる気が萎える。 体力以前に気力が湧かない。 今日は死ぬにはいい日だが、首輪が爆発して死ぬなんてのは何とも締まらない。 誰も知らぬところで、しめやかに爆発四散なんてのは御免被る。 どうせ死ぬなら派手に勝手に傍迷惑に自分らしく戦って死にたい。 それで終われるならこれ以上はない。 こんな事なら、ゴスロリ女を追えばよかったと後悔するが、今となっては後の祭りである。 こうなっては面倒でも動くしかない。 行く宛てもないが、ゴスロリ女が逃げって言った方向を適当に追ってみるかと、重い体を起こそうとしたところで、 「………………そうだ」 一つ思いついた。 本当に思いつきで、実際できるのかすら分からない。 リスクばかり高く、成功したところで何も得られないかもしれない無意味な発想。 ハイリスクローリターンこそ死にたがりの博打打ちに相応しい。 だが、成功すればきっと面白い。 そう思うだけで、少しだけ鬱屈とした胸が愉快な気持ちになれた。 それだけでやってみる価値があった。 起き上がるのを止めて、再び目を閉じる。 寝ころんだまま時を待つ。 とっくに導火線に火はついていた。 ただただ、花火が弾ける時を待っていた。 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ ――――――絶望。 この状況を表す表現としてこれほど適した言葉はないだろう。 死刑宣告を行った放送に置いて、最大の絶望を味わっているのはこの少年少女たちであった。。 水芭ユキ。 死神にその名が呼ばれしまった。 死刑執行を宣告された死刑囚のようだが、彼女は己が罪科に殺される死刑囚とも違う。 ただ純粋な悪意によって、理不尽なモノによって殺されるのだ。 暴威に晒されるのとすら違う。 抗う事すら許されない。 できる事と言えば、ただ坐して死を待つ事だけである。 「………………そん、な」 その不条理を嘆く様に九十九が漏らした。 だがそれ以上言葉は続かず、続くべき言葉を彼女は持たない。 ただ何もできない無力さを唇と共に噛みしめるだけである。 あの拳正ですら言葉を失っている。 爪が食い込むほどに握りしめられた拳が、その悔しさを物語っていた。 30分。 この僅かな時間で、何ができると言うのか。 出来る事と言えば、どう死ぬかを選ぶ事だけ。 見守る者たちもまた、何も出来ない己の無力を突き付けられながら。 ただ仲間の死を指をくわえて待っているだけ。 何も出来ないという絶望。 何をすべきかもわからない。 秒針が進むたびに心臓が締め付けられるようだ。 確実に死ぬと言う状況は何とも耐え難い。 足元から世界が崩れ去るような錯覚を覚える、 胸を締め付けるような恐ろしさがあった。 どす黒い感情が体中を暴れまわり、行先のない激情に叫び出しそうになる。 だがそれ以上にユキの心を占めている感情は悔しさだ。 恐ろしさよりも、ただひたすらに悔しかった。 全ての決意が無為に終わる。 悪党を受け継いだのに、父の意思を継ごうと決めたばかりなのに。 まだこれからなのに。 こんな所で終わるのか。 こんな事で終わるのか。 こんな形で終わるのか。 何も為さず、何も出来ず、何者にもなれず。 何も残さず、終わるのか。 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 永遠に変わらないような静寂。 空気が凍りついたように固まっていた。 張りつめた空気は一突きするだけで全てが弾けてしまいそうな緊張感を漂わせている。 息を呑むのは怪物と呼ばれた女と、勇者と呼ばれた幼い少年だった。 二人は驚愕と絶望を綯交ぜにした表情で目を見開いて固まっていた。 そんな彼らと対峙するのはどこにでもいるような男である。 どこにでもいて、どこにもいない。 全ての元凶。 この殺し合いの主催者。 ワールドオーダーと呼ばれる一つの厄災。 男は常と変らぬ薄い笑みを張り付けながら、言葉を失い呆然と佇む二人を見つめる。 「一応誤解がないように弁明しておくと、キミが選ばれたのは僕の意思ではないし、もちろんあちらの僕の意思でもない。 本当に誰の意思でもない。無作為に抽出した結果でしかない。運命や定め、あるいは単純な運。キミが選ばれたのはそう呼ばれるものでしかないんだ。 ――――いや、あるいはそれを決めた誰がいて、それこそが僕の倒そうとしてる相手なのかもしれないね」 それは此処ではない何処かへ向けた呟きだった。 最悪の体現者が告げる言葉はどこまでも空虚で意味などない。 己の中に他者の存在などない男の言葉は、己自身に語りかける言葉に他ならない。 だが、それも問題なかろう。 どちらにせよ、その言葉は二人の耳に届いてはいなかったのだから。 端的に言えば二人はそれどころではなかった。 全ての希望を打ち砕く死の宣告。 覆しようのない確定した未来。 その死の運命に少年は選ばれてしまった。 田外勇二は、この世界が定めたルールによって殺される。 変えようのない運命が二人に重くのしかかっていた。 呆然自失とした二人に、自らの言葉が届いていいない事すら気にした風もなく男は嗤う。 「だが――――――キミ達は運がいい」 笑みで歪めた口元から、乾ききったこの場にそぐわぬ愉しげな声を吐いた。 蠱惑的な悪魔の声に、焦点のぶれていた瞳が導かれるようにゆっくりと定まってゆく。 二人の目線が、目の前にいる敵をようやく映した。 吐かれた言葉の意味を租借して、大きく息を呑む。 「どういう………………意味だ?」 状況は最悪も最悪。 死の運命に選ばれた不運を前にして、運がいいとはどういう事か? 「こうして、この僕と出会った事さ」 幸運どころか最悪の塊が何をほざくのか。 誰にとってもこの男と出会った事こそが最大の不幸だ。 そんな不審の色を含んだ二人の視線を微笑で流し、ワールドオーダーは自らの首元をトントンと指で叩いた。 「僕の首輪は少し特別性でね。首輪の爆破を無力化する機能が仕込まれている。 首輪の無効化。この意味が分かるかな? この機能が適応できるのは僕の首輪だけじゃないという事さ。 つまりは僕を殺して首輪を剥ぎ取れば、」 その説明が終わるよりも早く、オデットの姿が掻き消えた。 現れたのはワールドオーダーの背後、僅かに上空、後頭部が狙える位置。 瞬間移動したオデットが、振り上げた踵を落とす。 その動きが神の奇跡を引き起こし、振り下ろした足から落雷が放たれる。 「ッ………………ぁあッ!?」 だが、雷に打たれたのはオデットの方だった。 落雷は昇雷となって跳ね返り、直撃を受けたオデットが墜ちる。 地面へと叩きつけられた衝撃で、閉じかけていた聖剣に両断された傷口が開き血が溢れる。 「ガ、ハッ………………!?」 「不用意だねぇ。自分が今どういう世界に立っているのかも把握せず動くだなんて」 今現在、彼らをとりまく世界は『攻撃』は『跳ね返る』世界だった。 オデットはワールドオーダーとの戦いは初めてではない、敗北したとはいえその能力は把握していた。 だが、タイムリミットを切られた勇二の命に救いの手をチラつかされ、焦りから確認を怠った。 完全にオデットの失態だ。 「オデットさん!」 慌てて勇二がオデットに駆け寄る。 傷口に手をやったその指から、糸のような何かが延びた。 意思を持ったように動く白い糸が傷口を縫い合わせてゆく。 「へぇ。まるっきり力を失ったと言うわけでもないようだ。と言うより……本来の才能が目覚めたのか」 その様子を見ながら、治療を邪魔するでもなく、感心したような声を漏らす。 敵の殲滅よりも観察が重要であるかのように。 勇二の指より伸びるのは魔を滅する勇者の力で編まれた輝く光の糸ではなく霊力によって編まれた白く透明な糸である。 少年には元より神域に至る霊能力の才があった。 勇者としての力が失われたとしても、元々有していたその才能までは失われる訳ではない。 だが、如何に才があったとしても才は才でしかない。磨がねば光ることもない。 少年は退魔の大家である田外家史上、最大にして最高の才を有している。 だが、その強すぎる力は幼い身に余として父と魔女によって厳重に封印を施されていた。 少なくとも殺し合いに巻き込まれた時点の勇二は力の使い方などろくに理解していなかった。 だが、勇者としての覚醒が少年の潜在能力を開花させた。 勇者の力は失われてしまったが勇者として戦った経験までは失われはしない。 力の使い方は聖剣から学んだ。 あの経験も決して無駄ではなかったのだ。 ピンと指先の糸が途切れ、霊糸縫合が完了する。 とはいえ繋ぎ合わせただけの応急処置に過ぎない、無理をすればまたすぐさま傷が開くだろう。 いくら神の因子を持つ生命力の高いオデットであろうと、こうも短期間に重傷を重ねればどうなるのか分からない。 だがじっとしていられる状況もなかった。 目の前に巨悪が居り、なにより戦わなくては、勇二が死ぬ。 そんな状況で休んでなど居られるはずもない。 「大丈夫、僕が戦うから。オデットさんは無理しないで」 無理を押して立ち上がろうとするオデット。それを勇二が制した。 少年は強靭な意思を持って世界の巨悪に対峙する。 自らを討たんと立ち上がる少年の様を見て、ワールドオーダーは敵ではなく何か喜ばしいモノに出会ったかのように口元をほころばせた。 「だが、戦えるのかい? 君の才能は戦う事に特化しているとは思えないが」 ワールドオーダーは田外の特性を識っている。 田外のみならず、この世界に置いてワールドオーダーの識らぬことなどない。 このあまねく世界は全て彼の管理する箱庭だ。 属性は地。拘束術や結界術を得意とし、敵を滅するよりも封じる事に長けた血筋。 サポート向きの能力で単独で戦うには向いていないが。 彼の才能がその血筋によるものならば、この状況でどれほどの脅威になるのか。 「心配されなくとも、武器なら勇気があるさ!」 勇者とは恐るべき困難に対して先頭に立つ者である。 勇者の力が失われようとも、少年は勇者であった。 勇二の全身からは靄の様な白い何かがあふれ出す。 それは霊感のない人間にも可視化できるほどの規格外の霊力だ。 その姿は魔闘気を纏った魔人皇を彷彿とさせる。 魔人皇。ワールドオーダーを追い詰めた絶対強者。 霊力量だけを見れば今の勇二はそれに匹敵する。 ワールドオーダーは田外の特性も、また当然のように勇者の特性も識っている。 なにせ、勇者というシステムを創り上げたのは他ならぬ彼である。 その力はまだ誰にも発現していないモノまで全て把握済みだ。 だが、目の前の相手はどうだ? 聖剣の加護によって目覚めた神域の霊能力者。 勇者と田外。 埒外の組み合わせ。 未知の化学反応により目覚めたその力はワールドオーダーにとってすら未知である。 確かに魔人皇はワールドオーダーを追い詰めはした、だがそれだけである。 既に超えた壁だ、同程度なら問題にもならない。 その先を、果たしてこの少年は見せてくれるのか――――? 「さぁ、田外勇二――――――少年(キミ)の可能性を見せてくれ」 「ああ、見たければ見せてあげるよ――――!!!」 啖呵を切るような叫びと共に勇二が動く。 突き立てた二本指が素早く切られ、宙に印を刻んだ。 印は『式』を意味する一字。式神を形成する呪である。 普段から勇二はそうやって遊んでいた。 誰に教えられたでもなく式を産み出し、お遊び程度に行使するという日常から零れ落ちていた規格外の才能の片鱗。 普段の遊びと違うのは一点、その規模が、解放された才能が、注ぎ込まれる霊力が普段の非ではないという事だ。 完成した『式』の印が宙に赤く輝く。 その輝きを籠めた二本指が地面へと突き立てられる。 すると、地面がボコボコと沸騰したように隆起を始めた。 盛り上がった土塊が流動し次々と積み重なってゆく。 土塊は見る見るうちに型を成して、土と泥と石によって人型が生み出された。 それに縛るべき名を与える。 「来ぉい――――――てんちゃん!!」 天を衝くような巨躯が大地に顕現する。 覚醒した少年の霊力によって生み出されたそれは正しく巨人だった。 土の巨人。式神『天空』。 十二神将に数えられる最強の一画を成す式神である。 人間よりも巨大な拳が振り上げられる。 それが見上げるような高みから、無慈悲に振り下ろされた。 荒い攻撃だが、その荒さを塗りつぶして余りある圧倒的物量がある。 ただ振り下ろすだけで人間など容易く平らにしてしまうだろう。 だが、世界はそれを許さない。 岩石が破砕する音が響く。 砕け散ったのは、男を圧死させるはずの石の拳だった。 『攻撃』は『跳ね返る』。 今の世界で攻撃したところでダメージを負うのは攻撃した側である。 だが、泥人形に痛覚などない。 砕け散った片腕を気にせず、残った逆の腕を振りかぶり豪快に殴りつけた。 当然の如く結果は同じだ。 腕は砕け、辺りに粒となった土や石が舞い散った。 世界の法則は力技で超えられるものではない。 「おっと」 ワールドオーダーが飛来した小石を片腕で振り払いのけた。 石と泥の巨人が自壊した結果、辺りに飛び散った小石だろう。 確かにこれは攻撃には当てはまらない、跳ね返ることもないだろうが。 「まさか、これで僕を殺そうというつもりでもないだろう?」 もしそうだとしたならば子供の発想すぎる。 この程度の小石が当たったところで大したダメージにはならない。 そこまで期待外れではないと願いたいところだが。 痛覚のない式神には知性もないのか、両腕を失った天空は、懲りることなく今度は敵を踏み潰すべく足を振り上げた。 無駄であることを理解していない様に見えるが、これが意図したものであるならば攻撃を繰り返す事で足を釘付けにする魔人皇と同じ戦術だろう。 だが、一分の隙もなかったあの恐るべき魔人皇と違い、その巨大さ故か式神の攻撃は緩慢に過ぎる。 何もできないと思えるほどの圧力は感じられない。 「『霊力』など『存在』しない」 攻撃までの大きな隙を突き、革命の言葉を紡ぐ。 世界が変わる。 霊能力で創り上げられた操り人形は足を振り上げたまま、その全身を砂塵として崩れ去った。 「――――――――DniW」 横合いから疾風が走る。 世界が改変された今ならと、好機を逃さずオデットが放った魔法だった。 霊力ではなく魔法ならばこの世界でも通る。 「『攻撃』は『跳ね返る』」 「くっ…………!」 だが、一手遅い。 風よりも早く再び世界は改変され、飛来した魔法は術者へと跳ね返り僅かにその身を切り裂く。 糸で繋がった傷口から赤い血液が漏れ出す。 世界改変と言う規格外の能力を除けばこのワールドオーダーのスペックはそれほど突出したモノではない。 身体能力、反応速度、どれをとっても戦士としては物足りない平凡の域。 最強たるオデットを上回るパラメータなど存在しない。 だが、この男は常に一手先を行く。 それはオデットの体が蓄積されたダメージから重かったと言う理由も確かにあるだろう。 だがそれ以上に、いつどのように世界が改変されるのか。 それを知らないオデットたちと、それを操るモノとでは動き出しに大きな差がある。 このアドバンテージはどうしようもなく埋めがたい物であった。 「…………これは」 だが、戸惑いの声を上げたのはワールドオーダーだった。 周囲に舞う砂塵。 先ほど放たれた突風が崩れ落ちた天空の破片を巻き上げたのだ。 「…………砂塵。目晦ましか」 式神『天空』は霧や黄砂を呼ぶとされる土神である。 その特性を考えるに、こうして砂塵となるところまで計算の内か。 ワールドオーダーの視界から砂埃に紛れた二人の姿が見失われる。 これが逃げの手だったなら巧い手だと褒め称える所なのだが、首輪爆破の制限時間がある以上は彼らに逃亡という選択肢はない。 かと言ってせっかっくの目晦ましを無駄にするはずもないだろう。 この機に乗じて何か仕掛けてくるはずだ。 どう対応するか。 世界をどう変えるのか。 待ち構えながらワールドオーダーは僅かに思案する。 実のところ、オデットだけを殺すのであれば、ワールドオーダーは簡単に実行できる。 この世界を『魔族』が『死ぬ』世界にすればいい。 条件に当てはまるモノを即死させる、無敵ともいえる世界の革命。 ワールドオーダーと同じ人間である勇二はともかく、属性が異なるオデットの場合それで終わりだ。 しかし、ワールドオーダーはそうはしなかった。 それは慈悲や手加減などという理由ではもちろんない。 最終的に倒されることが目的だったとしても、彼は勝負に関して一切の加減をすることはない。 八百長では意味がないのだ。出来レースではたどり着けない。 双方が全てを尽くして、その上で世界の悪であるワールドオーダーを打ち倒せる者こそが相応しい。 それこそが彼の求める者。 故に彼は敵を滅ぼすべく全力を尽くす。 では何故即死させようとしないのか。 その理由は、亦紅との交戦経験に依るものだった。 今のオデットは純粋な魔族ではなく邪神を喰らいその属性を得た混じり物だ。 半人間として生き残った亦紅のように、混じり物の彼女も生き残る可能性がある。 世界の法則は絶対だが、それ以外に対しては無防備となるという弱点もあった。 能力以外が平凡の域を出ない彼だからこそ、対処には慎重が必要となる。 殺しきることが出来なければ殺されるのはワールドオーダーの方だ。 不用意に世界を決定することはできない。 ワールドオーダーの周囲を漂う粉塵が僅かに揺らいだ。 何かが来るという攻撃の予兆に他ならない。 砂塵の暗幕から氷槍が現れる。 ワールドオーダーは目の前に迫るそれを見送り、不動のまま攻撃へと身を晒した。 ワールドオーダーは世界を変えないことを選択した。 今の世界は『攻撃』は『跳ね返る』世界だ。 何が来るか不明な状況では今の世界が一番無難で確実な選択である。 氷槍がその身に直撃する。 瞬間、跳ね返る前に砕け散った。 氷が無数の粒となって散弾のようにワールドオーダーへと襲い掛かる。 だが、その全てはワールドオーダーに触れた瞬間に跳ね返った。 多少の工夫は凝らしているが、ただのその程度など世界の法則の前には意味がない。 この程度で攻略できるなど勇二もオデットも思っているはずがない。 この攻撃は本命ではないだろう。 恐らく気を逸らすための囮だ。 (…………なら本命は、どこから) 目を細め砂塵の先を凝視する。 その足元から、ピシリと音が響いた。 次の瞬間、地中から芽吹くように白い糸が伸びた。 自らに向かって迫りくる糸を咄嗟にバックステップで回避する。 だが、着地した足元からも糸が芽吹き足首へと巻き付く。 続けて四方から、地面が割れる音が響き、地中を食い破って伸びた糸がワールドオーダーの体に巻き付いた。 攻撃ではなく拘束。 全身を地面へと縫い付けられる。 「なるほど」 膨大な勇二の霊力を生かして、地中に根を張ったのか。 目晦ましは地中に霊力を通している様子を隠すためのモノ。 オデットの攻撃は足元から気を逸らすためのモノ。 恐らくどこに動いても、絡め取られていただろう。 だが、拘束される程度は想定の範囲内だ。 攻撃以外の手段で来るのは珍しくもない。 この程度の窮地など、一つ世界が革命されるだけで消える泡沫のようなものである。 それにいくら拘束したところで、攻撃ができない以上は決着がつかない。 膠着状態となれば、首が閉まるのは時間制限のある勇二の方である。 「ElCriC!」 詠唱が響いた。 結界を張り、攻撃を遮断する高位魔法。 術者を中心にして周囲を壁のような結界が取り囲む。 その内にはオデットとワールドオーダーの二人がいた。 結界魔法を敵と己を閉じ込めるための壁として使う、オデットが一度死んだあの時と同じ形だ。 だがただ一点、あの時と大きな違いがある。 それは、結界の形が円状ではなく円柱状だったという事だった。 (拘束して更に隔離を……? いや…………) 晴れ始めた砂塵の隙間から結界の形を見る。 そこで円柱の上面部分が結界に覆われていない事に気づいた。 この時点で結界魔法としては失格。隔離する壁としても用をなしていない。 つまり、これは結界でも隔離でもなく――――。 「―――――――nIar lAItNerRot」 集中豪雨。 詠唱の声と共に空から滝のように雨が降り注いだ。 局地的な天候操作。水のない所でこれほどの水魔法を扱うなど、これこそ神の御業と言える。 そう、これは結界ではなく――――水槽だった。 瞬く間に、結界の中が水で満たされてゆく。 水槽の中に水は溜まり、いずれ中は満ち満ちるだろう。 オデットは逃げられるだろうが、糸によって縛られ大地に拘束されたワールドオーダーは逃れられない。 水責めが攻撃として世界に捉えられても、濁流が『跳ね返った』ところで、意味がない。 水が溜まれば溺死するしかない。 確かにこれならば、殺せる。 勇二の案だろう。子供らしい残酷で、自由な発想である。 だが、水の牢獄が首元まで迫り、ついには下唇が濡れるギリギリのところで、 「『重力』は『反転』する」 世界が革命された。 水槽にたまった水はバケツをひっくり返したように天へとぶちまけられた。 降り注ぐ雨は空へと落ち、周囲の木々も次々に抜け落ちてゆく。 大地の表面は徐々に剥がれ落ち、建造物は自重によって崩れながら破片と共に落下する。 当然、人も例外ではない。 勇二やオデットも反転した重力に囚われる。 大地に縛り付けられたワールドオーダーを残して、全てが空へと墜ちてゆく。 「うわああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」 「くっ…………勇二くん!」 飛ぶ術など持たない勇二は果てのない空へと墜ちる。 その体を瞬間移動で追いついたオデットが捕まえた。 「あ、ありがと!」 勇二を抱えた状態で、そのまま空中に静止する。 空に留まる二人に世界がひっくり返ろうとも変わらない上空特有の強い風が吹き付ける。 髪が乱れ、衣服がパタパタとはためいた。 周囲の風景が目に飛び込む。 静止したのは遥かに低い上空、見上げれば島全体を見渡せる程の高所だった。 それは異様な風景だった。 この島の全てが天に墜ちる逆しまの世界となっている訳ではなかった。 むしろそうなっているのはごく一部、この一帯だけが異常だった。 表と裏。正と負が入り混じった何て狭くて歪な世界。 これがワールドオーダーの創る世界。 全てが逆しまの世界の中、高く大地を見上げる。 剥がれ落ちた大地が次々と墜ちてくる中で、大地に縛り付けられたワールドオーダーが空を見下ろし口元を歪めていた。 「…………倒そう、あいつはここで、倒さなきゃダメだ」 この歪んだ世界を眺めて、そう改めて強く決意する。 自分の首輪を解除するためという理由だけではない。 思うがまま世界の歪ませるアレは世界に居てはならない存在だと心の底からそう確信した。 「糸を解いて勇二くん!」 「あ、そうか!」 オデットに言われ勇二はワールドオーダーを縛る霊力の糸を消し去った。 拘束を解かれたワールドオーダーの体が、反転した重力に従い落下を始める。 オデットたちは空中で静止したまま身構える。 落下に抗うの手立てのないワールドオーダーがこの状況を回避するためには世界を改変するしかない。 世界がどう変わるのか主導権は常に世界を変えるこの男にある。 次の瞬間世界がどう変わるのか余人には予測を立てる事すらままならない。 だが今なら、確実に世界を変えざる負えない今ならば、少なくともタイミングは読み取れる。 故に何が来ようと対処できるよう心構えをする二人。 だが、その予測を裏切る様にワールドオーダーは風圧に煽られる口元を歪めたままそのまま自由落下を続けるだけだった。 空中で静止するオデットたちとの距離が見る見るうちに縮まってゆく。 (まさか、このまま落下の勢いを利用して衝突するつもりなの!?) 意表を突く策だが、この男ならばやりかねない。 オデットは迎え撃つべく身を構えた。 勇二を抱え両手の塞がった状態でも魔法で撃退するだけならば口だけで事足りる。 「『人間』は『飛べる』」 だが、その直前でクンと、見えない何かに引っ張られるようにしてワールドオーダーの落下軌道が変化した。 世界が変わる。 重力は正常に戻り、世界はぐるりと反転する。 そのまま曲がりながら浮き上がるような軌道を辿るワールドオーダーの体。 それは落下ではなく自由自在に空を飛ぶ『飛行』だった。 空中戦を続けようというつもりなのか。 だがそれはオデットにとっては望む所である。 オデットの空を飛べるというアドバンテージをイーブンにされただけだ。 むしろ、それ以外の法則が存在しない今が好機である。 いかに重症であろうとも、それ以外の戦闘能力ではまだオデットに分があった。 どういうつもりか知らないが、この機を逃す手はない。 勇二を抱えたオデットは彼女たちから離れる様に飛んで行くその背を追おうとしたところで、鼻先に僅かな異変を感じた。 それは小さな砂粒だった。どうやら空から降り注いできたようだ。 それ自体は何の変哲もない砂粒である。 だが、ここは雲も見下ろそうかという遥か上空だ、そんなものが降り注いでくるはずもない。 予感を感じ、墨をぶちまけた様な空を見上げる。 世界は革命され反転していた重力は正常に戻った。 ならば先ほど空に打ち上げられた、草木や岩石が、剥がれ落ちた大地はどうなるのか。 その答えが雨霰となって降り注いできた。 「くっ!」 身を躱す。 大小様々な物体が空よりも高い宙より落下してきた。 自由落下に過ぎないが、辛うじて糸で体を繋いでいる状態のオデットにとっては、物よっては当たれば危うい。 勇二を抱えた状態で果たして的確に全て躱しきれるのか、そんな不安が頭をよぎる。 だが、そこで抱えていた勇二が自分に視線を向けている事に気付く。 「大丈夫だよ、オデットさん」 ニコリと勇二が安心させるような笑みを浮かべる。 そして自分を抱えるオデットの手を解き、トンと突き放すと空へと自らの体を放った。 「!? え、勇二く…………ん!?」 突然の勇二の行動に驚きオデットは捕まえようと手を伸ばすが、夜に飛び出した少年の体は沈むことなく浮き上がった。 「――――大丈夫! 僕も飛べるはずだから」 書き換わった世界法則はワールドオーダーを一方的に利するものではない。 重力が地球上の万物を縛る様に、世界の法則とは何人にも平等である。 「うん。流石に子供は順応が早いねぇ」 これまで書き換わった世界がワールドオーダーを利するように働いてきたように見えたのは、彼が世界が何時どのように変わるかの主導権を握ってきたからである。 人は常識によって縛られ、凝り固まった自分がある人間ほど世界に身を任せるのは難しい。 大人であればあるほど奔流のような新しい世界を理解することもできず振り回されるのみである。 だが飛び方を知らぬはずの少年は飛べる世界にあっという間に順応した。 魚が海を泳ぐが如く、夜を往く流星の如く、空を舞う白鳥の如く。 これが子供の柔軟性。 「行こう、オデットさん!」 「…………ええ!」 手を引く様に二人が空を進んだ。 光ない空に三つの星が流れる。 逃げ回る一つの光を二つの光が追いかける。 流星と違うのはその星は一直線ではなく変幻自在の軌道を辿っている事だろう。 絶え間なく空からは重力に従い降り注ぐ砂、土、石、岩、樹木。 雨のように降り注ぐその全てを避けきる事などできない。 当たっていいモノとダメなモノを見極めその隙間を縫うように飛び回る必要があった。 そんな環境下で最も早い光はオデットだった。 オデットだけが世界の法則による飛行ではなく自らの能力による飛行である。 加えて瞬間移動。障害物の降り注ぐこの状況は彼女にとって圧倒的な優位があった。 降り注ぐ障害物を超え、次を超え、逃げる相手との距離が詰まる。 この世界は自由飛行の世界、攻撃反射の世界ではない。 ならば躊躇う理由はどこにもなかった。 「――――――――ハアッ!!」 掌打を虚空に向けて一閃。 振り抜かれた腕から夜を貫くような閃光が奔る。 標的に直撃した閃光が弾け、火花が散った。 「ハハッ。惜しい惜しい!」 「くッ。邪魔な…………ッ!」 辺りに撒き散る木片越しに、愉しげに手を叩く敵を見る。 閃光が直撃したのは上空から落下してきた樹木だった。 このままのらりくらりと空中を逃げ回るつもりなのか、反撃しようなどと言う意思は感じられない。 こちらには勇二の首輪爆発までの30分という制限時間がある。 もう既に半分以上は経過しているだろう。 時間稼ぎになど付き合っていられない。 「なら、強引にでも押し通るまでよ!」 落下物など気にしている暇はない。 ならば最高火力で最短最速をぶち抜くまで。 今現在、この地において最強の火力を持っているのは間違いなくオデットである。 ギリギリのところで肉体が保っているような無茶が出来る状態ではないが、そんなことは行っていられない。 オデットが両腕に魔力を籠める。 自我を取り戻したことによりオデットは自らの意思で放つ魔法と、神の細胞により巻き起こる奇跡、その両方を”意図して”扱えるようになっていた。 これはその応用にして発展系。 『魔法』と言う現象に対して『奇跡』を付加する。 「――――――――wORra RedmUhT―――――――ッ!!」 夜を雷鳴が瞬いた。 『奇跡』を模して生まれた『魔法』に『奇跡』を纏わすという矛盾を含んだ螺旋が迸った。 撃ち放たれた雷の矢が奇跡の虹を伴って直走る。 引き起こされる相乗効果によって、その破壊力は魔王ディウスの禁術にも匹敵するだろう。 落下してくる障害物など苦ともせず、全てを消滅させながら諸悪の根源を消し去らんと雷光が奔る。 だが、雷の矢は僅かに軌道を逸らした。 ワールドオーダーの体を過ぎ去り、僅かに上方を焼切りながら遥か夜空へと消えてゆく。 過ぎ去る余波だけで肌をビリビリと痺れさせる 超人ならざる体では掠めただけで即死するほどのエネルギーだったであろう。 「くっ…………」 オデットが苦しげに息を吐く。 やはり少々無茶が過ぎた。 あまりにも強力なその攻撃を制御するにはオデットの体は傷付き過ぎていた。 「ふぅ。危ない危ない」 絶体絶命の状況から助かった直後とは思えぬほど平然とした声で飄々と呟く。 攻撃が逸れ命拾いした事を、ワールドオーダーは幸運であるとは微塵も思ってはいなかった。 彼に言わせれば幸運ではなく運命である。 オデットではワールドオーダーを世界から排除するに足る運命を持たなかった。 その考えが正しいか否か。 確かめるすべはないが事実として攻撃は外れた。 だが、何も起きなかったわけではない。 空白が生まれた。 雷の矢によって消し飛ばされたその空間に矢が辿った軌跡に奇跡の虹が残留している。 それはさながら夜空に架かる虹の橋だ。 その道を往くのは、当然、勇者の仕事である。 「うおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」 仲間が決死の思いで開いたラスボスの元まで一直線に繋がるレインボーロード。 勇二が勝利の栄光へと繋がる虹の橋を一気に飛び抜ける。 「追いついたぞ、ワールドオーダー!!」 勇二がワールドオーダーを眼前に捉える。 猛る勇者。 自らを追い詰めた相手を見て、支配者は嗤った。 とても不気味な笑顔だった。 「追いついた? 違うね――――――追いつかせたのさ」 瞬間、空より月が消えた。 雲に隠れたのではない。 何故なら、ここは薄くかかった積雲より高い、遥か上空なのだから。 勇二の顔に影がかかる。 月を隠した何かが勇二の上空に存在を示した。 その影を見上げる。 そこには、降り注ぐ余りも巨大な槍があった。 「な…………ぁっ!?」 それは重力が反転した際に空に打ち上げられていた電波塔だった。 100tを超える大質量が巨大な槍となって降り注いで来る。 その落下地点に誘い込まれていた。 槍が降ることを予知していたワールドオーダーは既に槍の範囲外へと離脱を計り動いていた。 それに気付いた勇二も僅かに遅れてそれを追う。 一心不乱に空を駆け抜ける。 だが、単純に”デカすぎる”。 一息で躱せる大きさではない。 夜闇に紛れたせいで、電波塔の存在に気付くのが遅れたせいで。 最短距離を全力で飛行しても回避が間に合うかどうかというタイミングである。 空から落下する逆さまの塔。 それに巻き込まれそうになる二人。 そこから少し離れた位置にいたオデットには全体が見えていた。 ワールドオーダーは既に安全圏に離脱した。 僅かに遅れてはいるがこの調子なら勇二もギリギリだが避けきれるだろう。 だが、そこでオデットは気付いた。 ワールドオーダーの狙いに。 彼の目論む、その悪意に。 「ダメよ! 勇二くん―――――――!!」 オデットは飛び出す。 一刻を争う事態。 もう余裕がない。 勇二の行く手を塞ぐ様に瞬間移動で転移すると、向かってくる勇二を乱暴に横合いに蹴り出す。 直後、落ちてくるタワーに巻き込まれオデットは地面に堕ちていった。 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 「現在に柔軟に適応する子供の強さはあったが。 過去から未来を読み取る大人としての強かさが足りなかったねぇ」 スタリと小さな着地音を立て、ワールドオーダーが地面へと着地した。 世界を逆さまにした時点でワールドオーダーにはこの光景が見えていた。 『未来確定・変わる世界(ワールド・オーダー)』 は戦闘用の能力でもない。 にも拘らず、ここまで力が物を言うこの世界でも彼が絶対者として君臨できていたのは、その精神性に依るモノに他ならない。 過去を知り、未来を読み、伏線を張り、世界を操る。これこそがこの男の本質。 世界を歪める世界の癌。 勇二は禁止エリアに突っ込もうとしていた。 空中では地上以上にエリアの区切りが曖昧だ、ワールドオーダーは自らを誘蛾灯としてそこに誘い込む算段だった。 全ては彼の想定通りに世界は動き、概ねそうなった。 彼にとって唯一予想外だったのは、オデットが割り込んできたことか。 「いや、だがよく生きている。流石にしぶといねぇ」 そう呟く視線の先には折れ曲がった電波塔が逆さになって突き刺さっている。 そしてその傍らにゴミのように転がる何かと、それに縋る少年の姿があった。 「オデットさん! オデットさん!!」 懸命に呼びかける少年の声が空虚に響く。 その呼びかけはどう見ても無意味だった。 倒れるオデットの体には下半身が無くなっており、子供の勇二でも抱えられそうなくらい小さくなっていた。 完全に千切れた下半身は、塔の下敷きなったのか、どこにも見当たらない。 断面から覗く白い肋骨は彼岸に咲く華の様である。 周囲には磨り潰された臓物のペーストがぶちまけられ、黒とも赤ともつかない色に地面を汚していた。 もはや、どうあっても助かるまい。 「僕が…………僕が塔に気付かなかったから…………ッ!」 少年の心を後悔が苛む。 自分は何をしているのか。 これでは愛やカウレスの時と同じだ。 自分を庇ってまた人が死んでしまう。 まるで成長していないじゃないか。 「…………気にしなくていいわ」 自責の念に押し潰されそうになる勇二に向けてオデットが意外にもハッキリとした口調で告げる。 首一つになっても生き続けることができる神の因子が、一部とはいえあるからこその生命力だろう。 だが、それでも死の運命は免れない。 「私は私のために、あなたを助けたの。自分の希望を繋ぐために」 「………………希望?」 オデットは死にたくなかった。 死が恐ろしいのではない。 醜く生きるくらいなら死んだ方がましだとすら思っていた。 だけど無為に死ぬのがどうしても嫌だった。 無意味に終わるのがどうしようもなく恐ろしかったのだ。 だから聖剣による美しい死に憧れ、その為に多くの間違いを起こした。 彼女の命は父に助けられた物である。 父の嘆願がなければ彼女はあの場で父と共に処刑されていた。 それは娘に命を紡いでほしいという父の希望だった。 呪いを受けて、死よりも苦しい責め苦を味わう事となったけれど、それでも生きていれば希望は繋がる。 彼女は父の願いを背負っていていた。 オデットが死んでしまえばその希望も同時に潰える事になる。 勇者に祈りながら魔族に殺されていく無辜の民を見た。 勇者の為に死んで行った兵士たちを見てきた。 彼らは無為に死んでいったのではない、勇者に希望を託して死んでいったのだ。 人々は勇者に希望を託した。 そして希望の勇者だったカウレスは、新たな勇者を守護って死んでいった。 少年が勇者の力を破棄して勇者でなくなったとしても、この少年はカウレスが残した希望だった。 希望は繋がれる。 人から人へと繋がってゆく。 だから自分が死ぬ以上に、託され続けたこの希望が、途切れてしまうのが死んでしまう以上に恐ろしい。 そう、感じてしまった。 だから、死なせるわけにはいかない。 ここで希望を潰させる訳は行かなかった。 罪滅ぼしなどという後ろ向きな気持ちではなく、前に希望を繋ぐために、オデットは身を挺したのだ。 繋がれてきた自らの希望を託して。 「………………けど、僕は」 だが、その希望もあと僅かで確実に潰える。 ワールドオーダーを倒せなければ首輪が爆発して勇二は死ぬ。 制限時間はあとどれだけ残っているのだろうか。 ここまでやって未だに僅かの勝ち目も見えていない。 奴を倒す未来がまるで見えない。 「大丈夫。あなたは勝てる」 確信を持った声でオデットは告げた。 敵は世界そのものを操る支配者だ。 それは異能だけの話ではなく、あの男の存在がそういう物である。 二度の戦いを経て、こうして見事に殺されかかって、ようやくオデットはその本質を理解した。 「闘い方を間違えていたのよ。あいつは戦士じゃない、あいつを倒すにはあいつではなくその世界を上回らなければ勝てない」 ただの戦士では勝てない。 ただの戦いでは勝てない。 これを倒すには世界そのものに勝つだけの何かが必要だ。 「だから、あなたはあなたの世界を創りなさい」 死の淵にあるとは思えぬほど、穏やかにほほ笑む。 そして瞬間、その瞳はキッと決意に満ちた瞳に変わった。 「ッあああああああああああああ!!!!」 「お………………っと!?」 叫びを上げ上半身だけのオデットが飛んだ。 傍らで見物していたワールドオーダーに向かって飛び付つくと、そのまま体を押し込んでゆく。 その行く先は、勇二が誘導されかけた場所、禁止エリアだ。 オデットの首輪は既に他ならぬワールドオーダーによって解除されているため爆発する心配はない。 突っ込んでいったところで問題はないだろうが、それはワールドオーダーも同じである。 禁止エリアに突入したところでワールドオーダーの首輪は爆発しない。 同じく既に解除されているオデットの首輪が爆発することもないだろう。 だが――――他の首輪はそうではない。 爆発が起きた。 爆発したのはオデットが持っていたリヴェイラの首輪だった。 密着していたワールドオーダーもその爆発に巻き込まれる。 問題は、この爆発は果たして攻撃か、それとも意図しない事故として処理されるのか。 その判断は世界に委ねられた。 「――――いや、思いのほか悪くない手だったが、無駄だったようだね」 絶望を運ぶ足音。 禁止エリアから姿を表したのは無傷のワールドオーダーだった。 あの状態で爆発に巻き込まれたオデットは助かりはしないだろう。 何事もなかった様に、服を叩いて汚れを払う。 全ては終わった。 オデットの命懸けの特攻ですら傷一つつけることができなかった。 希望は途切れ、無意味に終わる。 余りにも絶望的な状況。 勇二は両手を地面に付きオデットに呼びかけていた体制のまま立ち上がれずにいた。 顔を上げる事も出来ず俯き首を垂れている。 「いつまでそうしているつもりだい? 少ない残り時間をさらに減らす行為はお勧めしないが」 「………じゃ………ない」 「ん?」 そこでワールドオーダーは違うと気付く。 勇二は絶望に顔を伏せているのではない。 地についた両手から地面の底に霊力を流し込んでいる。 まさか、オデットが特攻したのはこの時間を稼ぐため…………? 「無駄なんかじゃ――――――――ないッ!」 少年の咆哮。 それに呼応するように地の底から無数の糸が飛び出した。 「だが芸がないな。『霊力』は『触れられない』」 その手は先ほど見たばかりである。 同じ手を喰う、ワールドオーダーではなかった。 この世界では霊力で他者に干渉することはできない。 これで攻撃も拘束も不可能。 だが、攻撃を防がれたはずの勇二は表情を変えることなく告げる。 「――――そうだ。お前は咄嗟の場面で無難な世界を選ぶ」 ワールドオーダー。 世界の法則すら塗り替え支配する超越者。 だが、この男は世界の支配者であれど戦士ではない。 常に勝利に向けて最良の状況判断が出来るとは限らない。 地中から伸びる糸の勢いは止まらなかった。 そもそもワールドオーダーを狙っていない。 ワールドオーダーを過ぎ去り、遥か天へと向かって伸びてゆく。 そして糸が飛び出したのはワールドオーダーの足元からだけではなかった。 少なくとも、ワールドオーダーの確認できる視界の範囲、全ての地面から伸びる糸。糸。糸。糸、糸、糸、糸、糸糸糸糸糸糸糸糸糸糸糸糸糸。 これが全て地中に仕込まれた勇二の霊力によるものだとするならば、いったいどれ程の霊力を地の底に流し込んだと言うのか。 天に向かって伸びあがった糸は周囲の糸と共に巻き上がりながら一本の太い綱のように編みこまれれゆく。 生まれた綱は更に絡み合って太い一本の柱となり、その柱が更に連なり折り重なってゆく。 それが世界各地で次々と繰り返されながら空を目指す様に真っ直ぐに伸びて行く。 「なん、だ?」 世界の支配者が始めて漏らす戸惑いの声。 天に向かう折り重なるそれはまるで大地から生まれた白い翼のようである。 翼は天に達し、幾重もの断層となって遂には天を覆い隠した。 少年の可能性が無限の白い翼となって、空も大地も何もかもを包み込む。 その異様に異常を重ねた光景に、これ以上続けさせるのはまずいと直感したワールドオーダーが世界を革命する。 「『霊力』は『消滅』する」 霊力は存在を許されない世界。 霊力で編まれた糸は世界の法則に従い消滅するはずだが、その世界は――――もう古(おそ)い。 「――――――――『無駄』だ。もうここはお前の『世界』なんかじゃない」 ヒラリと、空から一枚の白い羽が落ちた。 穢れ無き白壁は消えず、世界を囲む卵の様な白い壁はそこに在り続ける。 もはやそれは霊力などと定義されない別の何かとして成立していた。 「ここはお前を倒すために創り上げた、僕の『世界』だ」 成立した世界はもう止められない。 ここはもう確立し隔絶された別一個の世界だ。 敵が世界の法則を塗り替える支配者ならば、少年は世界その物を創り上げる。 神に至るほどの才能がいずれ至る領域。 少年は勇者と言う反則(だんかい)とこの地における過酷な経験を経て、その領域に到達した。 産まれたのは未完成の世界の卵。 未完成であるが故に、何者にもなれる少年の可能性。 「ああ……そう言えば、あの魔女の縁者だったか」 世界すら創造せしめる究極の魔女。 あれの性格からしてお気に入りの子供に手遊び程度に世界創造の瞬間を見せていても不思議ではない。 そこから世界の創り方を会得したか、恐るべき才覚。 「――――そう来なくては」 ワールドオーダーと呼ばれる男が歯を噛みしめながら、口元が吊り上るのを隠しきれないと言った風にこれまでに見たこともないような笑顔を見せた。 世界の敵と戦うのだ、世界一つ創り上げるくらいはしてもらわなければ困る。 この感覚は何年、年百、何億年振りか。 ようやく敵に出会えた。 期待に胸が震える。 ワールドオーダーの能力は戦いに向いた能力ではない。 世界と個人では、そもそも”戦いにもならない”のだから。 同じ土俵で戦える敵など居るはずもなかった。 だが、今なら。この相手ならあるいは。 「さぁ、君の世界と僕の世界で戦おう、きっといい”戦い”になる」 すっと勇二が手を掲げる。 地中から巨大な翼が八つ、羽ばたきのように開いた。 少年の可能性が具現化した、可能性の翼。 白い羽が辺りに舞う。 これは、ただ一つ、世界の敵を討ち滅ぼすと言うオーダーを実行するための世界。 「行け――――――僕の翼」 白翼がワールドオーダーを叩き潰すべく爆発めいた風切音を上げた。 圧倒的な白が迫る。 それはまるで世界その物がただ一人を抹殺せんと押し迫る様であった。 「『攻撃』は『無意味』だ」 だが、その圧力は無効化される。 攻撃とは呼べない無意味な産物となって、文字通りの羽の様な重さで男の肌を撫ぜるのみであった。 「そんな『変化』は『認めない』」 だがその革命が否定される。 再び鎌首をもたげた翼が勢いよく風を切り、ズシリとした重みに弾き飛ばされる。 ワールドオーダーの体が弾丸のような勢いで世界を取り囲む外壁に向かって飛んでゆく。 「『慣性』は『存在』しない。 『重力』は『足元』に向かう」 壁に衝突する寸前でピタリと静止する。 世界を囲う白壁に足元から着地する。 連続改変。 これまで以上に世界を行使して戦っていた。 「『ここ』はそんな『世界』じゃない」 即座に全てが否定される。 世界は正常に戻り、ワールドオーダーの体は地面に向かって落下して行く。 「チッ」 壁際に手をやり落下速度を落としながら滑り落ちてゆく。 純白なる世界の壁に赤い線を描きながらなんとか地面へと着地する。 そこに間髪入れず、足元から再び周囲を取り囲む様に翼が沸き立った。 逃げ場などない。正しくこの世界全体が敵である。 「『攻撃』は『消滅』する」 周囲から翼が消滅する。 その隙に駆け出し、包囲から抜け出す。 これまで不動のまま敵をいなしてきたワールドオーダーが明確に追いこまれていた。 翼の消滅も一瞬。 尽きる事ない白翼はすぐさま復活を遂げると駆ける背後へと迫り、前面からも新たに翼が生まれ挟み撃ちになる。 逃げ場はない。 凌ぐには世界を変えるしかないだろう。 「『攻撃』は――――――――――」 「――――この『攻撃』は『絶対』に『当たる』」 世界を固定される。 防御も回避も許ない。傲慢で絶対的な世界の支配方法だった。 ここは勇二の世界。支配権は勇二の方が上回っている。 広がった白翼が一斉に振り下ろされた。 両腕で身を守る。 ズガガガガと断続的な音が響き、見た目にそぐわぬ重量と切れ味で体が削られていく。 「くっ。ハハッ―――――素晴らしい」 血液が巻き散る。 追い詰められながらも、ワールドオーダーは心底から愉しげだった。 彼はバトルマニアでもなければ、ましてやマゾでもない。 ただ目の前の相手が永年待ち続けた相手なのかもしれないと言う予感が彼の心を震わせていた。 これは反応を駆使し、刹那を奪い合い、肉体を凌ぎ合わせる通常の闘争ではない。 戦い方ではなく戦うルールその物を奪い合う、いわばこれは世界の奪い合いである。 優位なのは、圧倒的に勇二だった。 曖昧な指定も可能。書き換えられる法則の上限も制限もない。 この世界はワールドオーダーを殺すというオーダーを実行するためならば、それこそなんでもありの世界だった。 対して、ワールドオーダーの変えられる世界の法則は一つだけ。 連続で変えることはできるが前の世界は上書きされる。 かつてはそうではなかったが、劣化に劣化を重ねた今のワールドオーダーではこれが限界である。 カードゲームを一枚のカードで戦っているようなものだ。 瞬間的になら世界を引っくり返せるが、すぐさま革命返しをされて終わりである。 ここまでハッタリと駆け引きで何とかしてきたが、同じ土俵で戦う相手には分が悪い。 「じゃあ、攻撃に出るとしようか」 白翼を振り払って、一転。ワールドオーダーは攻勢に出る。 守備一辺倒では首輪爆破の制限時間よりも早くジリ貧で敗北するだろう。 それより前に”敵”を殺す。 それこそが戦いというモノだろう。 「――――――――――『悪意』は『攻撃』となる」 革命の言葉が奔る。 純白の世界が一変し、漆黒の悪意が世界中を埋め尽くした。 余りにもドス黒い悪意がただ一人の少年を侵す攻撃となって一斉に襲い掛かる。 世界全ての悪意を塗り固めた男から放たれる悪意は、それこそ世界そのものだ。 気の遠くなるほどの永い間、この世界を侵し狂わせ続けてきた悪意。 こればかりは例え世界を操ろうとも、そう簡単に消えるものではない。 そんな世界を歪めていた絶望を前にしても、少年は顔を上げる。 真っ直ぐと見つめる瞳。少年の手のひらに光が溢れる。 それは目の前の暗闇に相対するには余りにも小さな、そして目の前の暗闇にも負けないほどとても大きな光だった。 「―――――――――『希望』は『剣』となる」 希望の光。 それはオデットが繋いだ希望であり、カウレスが繋いだ希望でもあり、愛が繋いだ希望でもある。 そしてこの地における物だけではなく、日常において父が母が我が子に託した希望でもあった。 それは勇二に託されたモノだけではない。 勇二に希望を託した誰かもまた、誰かに希望を託されていた。 綿々と紡がれる希望。 その全てが形を成して剣となる。 少年はその手に『希望』を掲げた。 それはどんな絶望を前にしても希望を掲げられる勇気持つ者だけが手にすることのできる、勇者の剣だ。 「はぁぁぁああああああああああああああ――――――――――――――ッッ!!!」 悪意(やみ)を希望(ひかり)が一閃した。 世界を満たしていた漆黒が霧散する。 絶望が晴れる。 闇が晴れた先、残ったのは悪意の発生源である男だけった。 男はゆっくりと口元を歪める。 「見せてもらったよ。君の可能性を――――君の勝ちだ。田外勇二」 そう言って、悪意の体現者は胸元から血を吹き出した。 希望の刃は悪意を切り裂き、その先にいるワールドオーダーの体をも切り裂いていた。 血を吐きながら笑う。 これまでの様な空虚な笑みではない。 追い求めた者に達した男の満ち足りた笑みだった。 時間を操ろうと空間を操ろうと何をしようと無意味だろう。 言い訳のしようもない敗北。 少年の可能性。 人間の可能性。 希望の可能性。 人の持つ希望とは、世界を切り裂くだけの可能性を有している。 その証明を為す者。 これこそが男の求める物。 これぞ正しく――――『主人公』である。 だが、その表情はすぐさま別のモノへと変わる。 口元に常に張り付いていた笑み形が悲しみの形に変わった。 まるで、ようやく叶った積年の願いが消えてしまう事を嘆く様に。 「ああ…………だが、キミ残された時間はもう1分とないだろう。 これほどの結論。これほどの成果でも至らない。僕はそれが悲しい」 本当に残念そうに呟いて、その場に倒れて動かなくなった。 それを見届けた勇二の体も力が抜けたようにフラリと揺れる。 限界を超えた反動。 如何に勇二が神に等しい霊力を持っていても、世界創造という偉業を成し遂げればその霊力も尽きる。 意識が霞み始めたが、気力を振り絞り踏みとどまる。 まだ倒れる訳にはいかない。 男の死と共に世界が消え始めた。 この世界はワールドオーダーを殺すために創られた世界だ。 目的を達した以上、世界は消滅するのが必定である。 この地における最大の悪は倒した。 だがそれを手放しで喜ぶにはまだ早い。 消えゆく世界の最後の力を一枚の翼に集約して、倒れたワールドオーダーの首を撥ねる。 躊躇っている暇はなかった。 血だまりに転がる首輪を勇二が急いで回収する。 首輪は得た。 ここからどうするかが問題である。 解体、解析、効果の適応。勇二にそれが出来るのか? 勇者の力も失われ、霊力が尽きた状態ではただの小学生でしかない。 爆発はしないと保証されている首輪なのだから強引にやればできないことはないだろうが、余りにも時間がない。 「…………何か、何かないのか…………ッ!?」 逆転の可能性を探して、灯りを取り出すのも忘れ暗闇に目を凝らしながら周囲を見る。 見えるのは逆さまの電波塔、首のないワールドオーダーの死体、そして。 「ワールドオーダーの…………荷物」 飛びつくように荷物に掴みかかると、ひっくり返すように中身を地面にぶちまける。 微かな希望に縋るように地面に転がる荷物を掻き分けるが、出てくるのは食料や地図といった一般参加者と変わらない物ばかりだった。 転がっている時計の針が目に入る。残り時間は1分を切っていた。 腹の底がざわつくような焦りが勇二を支配し始めた。 先ほどまでの戦いとは違う、足元から追い詰められてゆくような感覚。 このままでは終わる。 勇二の命が。 繋がれた希望が。 何もかもが終わってしまう。 それはダメだ。 それだけはダメだ。 主催者の所持品なのだ。 全てを解決する一発逆転の何か。 そんな道具があってもいいじゃないか。 一般参加者と同じだったとしてもランダム支給品が何か、何か、何かあるはずだ。 ぐるぐると廻る思考。焦る手が何かに触れた。 基本支給物ではない何か。恐らくワールドオーダーにランダムに与えられた支給品の一つ。 それが何であるかを理解した瞬間、少年は自分が何をすべきかを理解した。 己が辿る運命。 己が為すべき役割。 その全てを悟る。 それは幼い少年が固めるには余りにも過酷な決意だった。 静寂が訪れる。 全てを成し遂げた少年は祈る様に目を瞑る。 それは全てを解決するわけでもなく、少年の命も救わない。 それでもやらなくては。 ここで終わるのではなく、何かを先に繋げるために。 「…………………………………………お父さん、お母さん」 爆発音が鳴り響いた。 この世界に蔓延る巨悪を打ち倒した勇者は、報われることなくその命を落とした。 神の如き支配者も、神の因子に侵された女も、神の才を持つ少年も消え去り、この地に残ったのは朽ちた塔のみである。 何もかもが消え去り無に返る。 残る物は何一つない。 いや、希望は。 【オデット 死亡】 【田外勇二 死亡】 【主催者(ワールドオーダー) 死亡】 155.第四放送 -いつか革命されるこの世界にて- 投下順で読む 157.THE END -Somebody To Love- 時系列順で読む そして1日が終わる 新田拳正 THE END -Somebody To Love- 水芭ユキ 一二三九十九 音ノ宮・亜理子 火輪珠美 田外勇二 GAME OVER オデット GAME OVER 主催者 GAME OVER
https://w.atwiki.jp/pawa13/pages/41.html
チーム別攻略 各チーム別の攻略。 共通事項 パワフル高校 帝王実業高校 聖タチバナ学園高校 灰凶高校 チーム別攻略のメモ 【TOP】
https://w.atwiki.jp/wiki8_siren2/pages/124.html
SIREN:NT エピソード別攻略 エピソード4攻略 伊東家が登場。ネタの宝庫である。 箱庭的なマップが特徴である。 チャプター2 犀賀省悟 8月3日 12 22 53 波羅宿集落 終了条件 サム・モンローと「比良境」方面へ脱出 火の見櫓上からサムを襲っている屍人を狙撃して、サムを助ける。 火の見櫓を降りると、羽根屍人が襲ってくるので倒す。 サムの位置を視界ジャックで特定し、探し出す。 食堂の1階、食堂の2階、陸井家の2階のどこかにいる。 サムを見つけたら、比良境方面へ向かう。 ゴール付近に狙撃銃を持った屍人がいるので、発炎筒で陽動し、倒す。そのままゴール。 アーカイブ攻略 食堂の1階にアーカイブ「はにゅうめん」。 そのまま狙撃銃ではにゅうめんを壊す(銃で殴ってもおk)と、アーカイブ取得条件達成。 チャプター4 [#ofd09586] Howard Wright 8月4日 00 09 28 田堀/伊東家 終了条件 美耶古と「刈割」方面へ脱出 CHALLENGE STEALTH × NO SIGHT JACKING ○ NO DAMAGE ○ NO KILLS ○ 伊藤家への侵入路は「軒下」「雨戸をはずす」「かまどに薪をくべる」の3つ。 中に入ったら廊下の徘徊屍人を倒す。 そのまま2階へ向かい、子供部屋の屍人を倒し、中で「時計のねじ巻き」を入手。空き部屋のタンスに美耶古を隠す。 1階に戻り、時計の前で△ボタンを押しっぱなしにしてねじを巻く。 客間の横に隠れ、おびき出した拳銃屍人を後ろから倒し、拳銃を奪う。 客間の中で、「寝室の鍵」入手。2階へ向かう。 寝室を開け、屋根伝いに進むと美耶古と分かれる。そっと歩けば屋根は崩れないので、美耶子との合流イベントは発生しない。 再度伊東家へ侵入。急いで屋根の上まで行き、マップを確認して門の外へ。 そのまま進めばクリア。 薪をくべるとおもしろいので一度はやってみよう。 アーカイブ攻略 始まってすぐに離れの屍人を倒し、「納戸の鍵」を入手。 伊藤家内部の納戸を開け、「壊れたニッパー」を入手。 2階空き部屋のタンス近くで「壊れたニッパー」入手。「壊れたニッパー」を2つ入手すると、「ニッパー」になる。 1階奥の間の祭壇の針金を切断し、アーカイブ「祭壇の偶像」入手。 エピソード5攻略
https://w.atwiki.jp/magic-cannon/pages/11.html
ボス攻略 ボス攻略ボス1 ボス2 ボス1 攻略情報1 攻略情報2 ボス2 攻略情報1 攻略情報2
https://w.atwiki.jp/gettenka/pages/14.html
・攻略 デッキ デッキはキャラカード1枚、アイテムカード1枚、武器カード1枚の合計3枚。 公式HPではキャラタイプと同じスキルカードでそろえるのがコツとなっているが 奥義発動やラッシュはいいが弱点のタイプが多いキャラには勝てなくなる場合ある ので注意が必要。 戦デッキ スキャンしたカードに書かれているカード10枚(ノーマル+スキル+必殺技)に 1~3のノーマルカードが3枚づつ計9枚が追加された合計19枚がデッキになる。 4と必殺カードは19枚中計4枚なので使いどころの見極めが必要と思われる。 スキルカード パワーカード、ファイヤーカード、シールドカード、スピードカード、アイスカードの5種類 パワーカードは相手のシールドを破壊し大ダメージ ファイヤーカードは相手の手札を焼く(カード選択不可にする) シールドカードはシールドを張りダメージ軽減とファイヤー防御 スピードカードは次のターンゲージが倍速 アイスカードは相手のカードを凍らせる キャラクタータイプのスキルカードを選択するとラッシュゲージ少し溜まります。 ファイヤー攻撃時、相手にパワーカードあると選択不可になります。(タイムラグあり) ファイヤー攻撃時、相手がシールドを張っているとファイヤーは無効になります。 シールドは3回まで重複掛けが可能。 必殺技カード アイテムカード、武器カードに各1枚づつ持つ特殊カード だいたい 攻撃系、補助系、攻撃+補助 3種類と思われる。 ラッシュゲージ 攻撃後ラッシュゲージが満タンになっていたら奥義発動でラッシュになります。 ラッシュゲージがたまる時 ダメージを受けた時。 キャラタイプのスキルカードを選択時。 相手のシールドを破壊。 相手の炎を防御。 ファイヤー アイス攻撃成功。(シールドで防御されなければOK) 超速コンボ時。 超速コンボ カードをすばやく選択すると超速コンボとなりラッシュゲージが少したまる。 カード2枚以上でないと超速コンボとならない。 公式HPに先行入力?的な事が可能と書かれている。 これを使えば2コンボでも超速がでやすくなるので 先行入力?のタイミングが攻略のポイントと思われる。 ↑3弾以降先攻入力は無くなった感じがします 待ち時間 攻撃後次の攻撃まで待ち時間が発生します 1コンボ:1.5 2コンボ:1.8 3コンボ:2.5 4コンボ:2.2 5コンボ:1.05 R後 :4 ラッシュとコンボ数 ラッシュ中はコンボが多いほどラッシュ数が増える 1コンボ:1ラッシュ 2コンボ:4ラッシュ 3コンボ:8ラッシュ 4コンボ:19ラッシュ 5コンボ:25ラッシュ スキル :4ラッシュ ノブナガで 1N+2攻+3炎+4攻+5の5コンボなら ラッシュ数は25+4+4で32ラッシュとなる ファイヤースキルの焼却タイムラグ? 相手がカード選択時(撃ボタンを押す前)にファイヤーで焼却すると 選択できるカードを焼却することになる。 このときカード下に火が点くがこの状態だとカードが選択でき焼却は無効となる。 カード下に点いた火が上まであがればカード焼却となりラッシュゲージもたまる。 (↑いつのまにかファイヤー攻撃成功でラッシュゲージが溜まるようになってます) 火が上まであがるのに約1秒?ほどある。 自分の場合も同じなので、相手のファイヤーを待ってカード選択すれば焼却を無効にできる。 Ver.3.00.01から焼却時間が低下しました。 およそ1.6秒から1.7秒ぐらいだと思います。 そのため5コンボした場合や スピードスキルを使用したとき攻撃後 焼却まえにターンゲージが溜まることがあります。 撃ボタン待ちで焼却回復 カード選択後撃ボタンを押さず相手のファイヤー焼却(攻撃後)後に撃ボタンを 押せば次の攻撃(カード選択時)には焼却カードなしでカード選択できる Ver.3.00.01では焼却時間が遅くなったため待つと相手のターンゲージが 溜まります・・・・気をつけましょう。 アイススキルのタイムラグで氷を回避? アイススキルもファイヤー同様、結晶が上までいかないと凍らないので 下に結晶がある状態でカード選択すれば問題ないが 同数のカード2枚に結晶が付いた場合は1枚しか選択できない さらにターンゲージ中に凍っているカードがあると ターンゲージが遅くなるのでシールドで防ぐ方がいい様に思う 最強デッキ?? よく最強デッキは何か聞いたり聞かれたりしますが 自分は全カードが最強デッキであり最強デッキでない と考えています。理由としてはどの組み合わせでも 絶対勝つや絶対負けるがほぼ無いです。 若干勝ちやすいや負けやすいはありますがカードの 引きで戦況が大きく変わることもしばしば・・・・・ まぁ誰でも勝てるし、誰でも負ける感じが ゲッテンカのいいところだと自分は思います。 蛇足ですが 運50% 技術45%(超速コンボ15% ラッシュ&ど根性15% 戦況把握15%) デッキ5% ぐらいの感じだと自分は思ってますw 対戦時勝敗判定 対戦時の勝敗判定は勝ち、負け、引き分けの3つ 相手のHPを0にすれば勝ちだがタイムアップ時は(時間切れ) 残りHPの多いほうが勝ちとなる HPが同じ場合は引き分けでどちらも勝ち付かずになり 3本勝負だと1勝1敗1引のパターンが有りこれは引き分けになります 必殺キャンセル 第1弾からの仕様で必殺効果は2つまでしか 持てないのを利用したキャンセル技 1弾からの仕様ですが序弾では強力かつ長時間な 必殺カードがなかった為まったく使われなかったが 最近では強力で長時間な必殺カードが出てきたため 必殺キャンセルも出来るようになってきた
https://w.atwiki.jp/monsterstrike33/pages/18.html
No. モンスター名 レア度 種族 初期HP 初期攻撃力 初期スピード 属性 攻撃方法 最大LV. タイプ1 タイプ2 ストライクショット 友情コンボ No.101 No.102 No.103 No.104 No.105 No.106 No.107 No.108 No.109 No.110 No.111 No.112 No.113 No.114 No.115 No.116 No.117 No.118 No.119 No.120 No.121 No.122 No.123 No.124 No.125 No.126 No.127 No.128 No.129 No.130 No.131 No.132 No.133 No.134 No.135 No.136 No.137 No.138 No.139 No.140 No.141 No.142 No.143 No.144 No.145 No.146 No.147 No.148 No.149 No.150
https://w.atwiki.jp/monsterstrike33/pages/20.html
No. モンスター名 レア度 種族 初期HP 初期攻撃力 初期スピード 属性 攻撃方法 最大LV. タイプ1 タイプ2 ストライクショット 友情コンボ No.151 No.152 No.153 No.154 No.155 No.156 No.157 No.158 No.159 No.160 No.161 No.162 No.163 No.164 No.165 No.166 No.167 No.168 No.169 No.170 No.171 No.172 No.173 No.174 No.175 No.176 No.177 No.178 No.179 No.180 No.181 No.182 No.183 No.184 No.185 No.186 No.187 No.188 No.189 No.190 No.191 No.192 No.193 No.194 No.195 No.196 No.197 No.198 No.199 No.200
https://w.atwiki.jp/gameeternalstardust/pages/27.html
攻略チャート 仲間にする方法 Copyright.2015-2016 c Abaddon-Thor c [[ゲーム総合攻略アバドンの館]] All Rights Riserved
https://w.atwiki.jp/doragondoragon/pages/21.html
※作成中 ここではバトルマップ攻略についてまとめてみたいと思います。 バトルマップは現在エリア60まで解放されており、 自分の持っているドラゴンの種類が増えるとこの最大60までのエリアが解放されます。 またエリア5ごと(5の倍数)のエリアにボスモンスター?なるものがいて (エリア30を過ぎると6ごとになります。)初クリア時にボスモンスターのエッグを入手することが出来ます。 最初のほうのボスは☆2ドラゴン以下ですが、途中から☆3ドラゴンになるので まだバトルマップをクリアしていない方はこちらからも☆3ドラゴンを入手可能です。 残念ながら2回目以降はボスドラゴンはドロップしないみたいですが、 →この前のメンテナンスで☆3ドラゴンもドロップするようになった?みたいです。 欲しいドラゴンのいるエリアを何度も挑戦してドラゴンをゲット出来ますね! ただし、保管庫に保管出来るエッグは3個までなので 上手く売却や巣も利用していかないといけません。 (ドロップするとはいっても、確率はかなり低いみたいなので あまり期待しない方がいいみたいです。) またエリアを進めると貰える経験値やエサなどの量が増えるので 何度も挑戦する価値はあると思います。 参考)エリア60で 経験値:3000、お金:約5000 エサ:約4000 (経験値各エリアで固定、お金とエサは変動) ドロップするボスのエッグ エリアNo. ボスドラゴン 5 ☆1ドルフィン 10 ☆2ホットウィンド 15 ☆2マッシュルーム 20 ☆2マウンテン 25 ☆2イール 30 ☆2クラウド 36 ☆3ファイヤーボール 42 ☆3カクタス 48 ☆3ブリック 54 ☆3プラズマ 60 ☆3パイレーツ ※そのうちエリア毎のドロップする卵をまとめる 予定です。 連れて行ったドラゴンに経験値が入るなどはないので、 自分の一番強いドラゴンを連れて行くのが良いと思います。 オススメは全体攻撃の出来るドラゴンです。 ゲーム序盤の方はファイヤードラゴンとブレイズモンスターがオススメです。 弱点属性だと与えるダメージが大きくなるので、 火や草などの基本属性よりはエピックや季節属性のどの属性にも強い ドラゴンの方が使いやすいのではないかと思います。 エリアが進むごとにステージ数が増えて行くので、 エリアクリアで入手出来る回復薬を上手く使ってクリアを目指します。 参考までに各回復薬の回復量と1回のバトルに持っていける数です↓↓ およその回復量 名前 回復量 所持数 回復薬 25%~30% 10 強回復薬 50%~60% 7 超回復薬 全部? 5 ※あくまでも使ってみた感じです。 強回復薬(中くらい)でも十分な回復量があるので、使うタイミングを 間違えなければファイヤードラゴン+☆3パーティでもそれなりに エリアを進めることが出来ると思います。 個人的にはバトル中の復活薬とかスキルゲージ回復薬とかあると バトルが相当楽になると思うのですが、今の所3種類しか薬がないので 今後に期待ですね。(汗) またエリアが進むと相手ドラゴンを攻撃して回復するスキルゲージも多くなるので 慣れてきたらスキルをバンバン使って楽に進むことが出来ます。 銀河属性を含んだ相性相関図↓